2020年8月21日金曜日

絶滅危惧種の美しいユキヒョウは、中央アジアに数千頭が残るのみ

 絶滅危惧種の中にはとても美しい生き物もいます。ここでは人間にとって、身近な種であるネコ科の話を紹介します。現在もペットとしてお馴染みなのはイエネコ。約1万年前から飼われ始めたとされています。

このネコ科の種は捕食動物なので、狩りに適応した身体的特徴があります。ところが、野生で生きているのほとんどは、何らかの理由により絶滅の危機に逼迫。ここでは、いくつか紹介します。

最初はユキヒョウ。中央アジアの山岳地帯に広く生息しているネコ。不毛な高地に適応した、美しくあたたかい毛皮を持っています。この毛皮が理由で乱獲され、今では数千頭が残るのみ。





以前は中東から中央アジアに渡って、広く生息していたのがアジアチーター。狩りをするときのパートナーとして、多数が飼育もされていました。

しかし、近代の工業化にともない、害獣としての駆除対象となりました。また美しい毛皮ほしさの密漁も絶えません。現在はイラン高原に、わずか100頭ほどが生息するだけとなりました。

次はスナドリネコ。ほとんどのネコは、水に濡れることが大嫌い。でも川の近くに住んだり、マングローブの湿地帯にいるのがスナドリネコ

魚を捕って生活するなど、泳ぐことは大得意です。近年の環境破壊が原因で、個体数が激減しています。2008年に、国際自然保護連合から絶滅危惧種指定。

ネコはペットだけではありませんね。





2020年8月17日月曜日

絶滅危惧種 ソテツ

 絶滅危惧種にはソテツなども含まれています。南アフリカの東ケープ州では、オニソテツ属のソテツ類を違法で採掘した者に、禁固刑の判決も出ています。この革新的な判決はジャンセンビル地方裁判所がだしたもので、南アフリカ記録史上初のもの。

アフリカ大陸特産であるオニソテツ属のソテツ類は知られているだけで67種。そのなかの38種が南アフリカで生育しており、29種が南アフリカ固有種という貴重なもの。

このように南アフリカは、ソテツ類の多様性のから見る、重要なホットスポットとなっています。

ヒメオニソテツのヨハネスブルグ密輸を企てた違法採掘者は4名。うち3名は執行猶予が付かない5年の禁固刑。過去に2件の有罪判決がある1人には、執行猶予が付かない10年の禁固刑が出ています。





2008年4月のこと。中国ではその珍しさから、植物界のパンダともされる徳保ソテツ500株が、原生地の広西チワン族自治区徳保県に植えられました。

中国ではソテツ科の植物は、すべて国家1級保護野生植物とされています。徳保ソテツは絶滅危惧種とされており、原生地での開花が望まれました。

この記事には続報があり、2011年05月には初めて開花したとあります。原生地で栽培されていた徳保ソテツ500株のなかで、8株が開花しました。

雌雄異株のソテツは、雄株の方が雌株より早く開花します。今回開花したのもすべて雄株。

順調に増えて欲しいものですね。






2020年8月14日金曜日

絶滅危惧種 オコジョ

 絶滅危惧種の中にはオコジョも含まれています。登山中に出会うことのできる動物として、人気を集める可愛らしい動物。

ネコ目イタチ科の動物で、体長は雄で約16㎝から33cm、体重が約150gから320gほど。これより小さなサイズが雌。主に生息域は寒いところで、北海道から本州中部にかけ広範囲に分布しています。

オコジョは年に2度ほど毛が生え変わります。夏時期は頭や背中は茶色で、お腹は白の2色。冬時期をみると、真っ白のふわふわの毛に覆われ、黒くなる尾っぽの先が特徴。ちょこんと雪の中から顔を出している姿は有名。





見た目の可愛らしさと違い、気性が荒い動物がオコジョ。素早く動いて、ネズミやなどの小動物を捕食します。なかには自分の体よりも大きなウサギや、特別天然記念物指定のライチョウを襲ったりすることもあります。

日本に生息中のオコジョは2種類。「ホンドオコジョ」は中部地域から東北地域にかけて生息。クダギツネや、ヤマイタチなどとも呼ばれています。

また高山地帯などでは、山の妖精などとも呼ばれるのがオコジョ。好奇心が旺盛で、人への警戒心も薄いので、そばにくることもあります。もう一つがエゾオコジョ。名前の通り北海道に住んでいるオコジョです。

絶滅危惧種を脱して欲しい生き物ですね。




2020年8月11日火曜日

絶滅危惧種 ヘラクレスオオカブト

 絶滅危惧種には日本でも人気が高いヘラクレスオオカブトもいます。世界最大のカブトムシとして知れ渡ってますが、その見栄えのする角ゆえ昆虫ファンの人気の的。

ただその国際取引は、ワシントン条約により厳しく規制されています。日本には外来生物法が定められていて、持ち込まれる動植物が生態系などに悪影響を及ぼすことを防いでいます。

動植物148種類の輸入を禁止していますが、ヘラクレスオオカブトサターンオオカブトは入っていません。

日本にいる野生のカブトムシに、脅威を与えるほどではないと見なされています。輸入されるものはペットとして飼育したいのであり、野生に放つということはないのがその理由。




そのためボリビアでは、大型カブトムシが次々と捕獲されています。もちろんボリビアでも1990年以降、野生動物の捕獲や収集、保管などは禁止されています。

ボリビア環境省が分類するところによると、「サターンオオカブト」は絶滅危惧種。ただ1匹でも高価な大型カブトムシは、野生で採集され日本へ輸出されています。

現地の人の話では、ひとシーズンで1人当たり数十匹ものカブトムシが、捕獲できるとのこと。森の中で草木を切り倒し、できた空き地で発電機を動かします。白い布を2本の棒の間に張り、その後ろから250ワット電球が照らすとカブトムシが寄ってきます。

日本人も考えたいところですね。






2020年8月8日土曜日

絶滅危惧種 人間にできること

 絶滅危惧種について、人間にできることを考えようという話題もよくある話。動物園でも人気のライオンやゾウ、キリンやゴリラなどは、絶滅危惧種指定されている動物たち。

このまま何もしないと、環境破壊のせいで当たり前に見ていた動物たちが消えてしまう可能性も。絶滅動物と聞いて何ができるのか、具体的なアクションを思い浮かべる人は少ないということ。

元来、地球上では人類が進化以前、絶滅する種は年間100万種類あたり1種類以下とされてきました。

ところが、20世紀以降になると、年間100万種類あたり100から1000種類が失われていると言われています。明らかに地球上の生態系を変えているのは人間ということ。



今や日本食にとっても身近な、マグロやうなぎなどもレッドリストに入っています。

ではこの絶滅危惧種問題で、人間にできることはどういうことか。最初にできることは、身近な自然に関心を持つこと。自然の中の生き物は、そっとを観察。絶滅の恐れのある生き物を捕まえたり、飼育してはいけません。

もちろんペット外来種を、自然のなかに放さないことも必要。森や川などに出かけた際には、すべてのゴミは持ち帰ること。海外旅行のおみやげなどで、絶滅危惧種やその加工品などを購入しないこと。

この様なことが、私たち人間にできることになりますね。






2020年8月6日木曜日

絶滅危惧種 タガメ

絶滅危惧種ではタガメもその仲間に入っています。日本などに生息する種の和名ですが、水生カメムシ類の総称ともなっています。

環境省のいわゆるレッドリストで、このタガメは絶滅危惧II類に指定されていました。これは日本では、絶滅の危険が増大している種であることを意味。

ただ、「絶滅危惧種指定」とはいえ、採集したり販売したりすることに実効的な規制をするものではありません。レッドリストと名乗っていますが、絶滅危惧種をまとめた単なるリスト

2018年ですが、環境省レッドリストと別枠でタガメは、第二種国内希少野生動植物種に指定されることになりました。






タガメの寿命は約1年ほど。成虫で冬を越すと、5月から7月の昼が長い季節で、湿度の高い梅雨繁殖期を迎えます。出会った雌雄は水面上の棒や植物などに、メスが70卵ほどの卵塊を産みます。

この第二種国内希少野生動植物種指定で焦っていたのはタガメサイダー。タガメエキスを独自製法で抽出した、新しい昆虫ドリンクです。フルーティーなタガメの持つ香りを、忠実に再現しているタガメサイダー

この昆虫食を楽しむ新体験は、何とか生き残ったようです。これまでと変わらず生産と販売をするそうです。

絶滅危惧種タガメといっても色々ですね。







2020年8月2日日曜日

絶滅危惧種 育てる

絶滅危惧種を個人的に育てることは、園芸植物の栽培やペットを飼ったりするのとは全く違います。

日本には分かっているだけで、9万種以上もの生物が生息。そのなかから園芸植物をはじめ、農作物のほか、家畜ペットなどは、人間が育てやすく品種改良してきた歴史があります。

絶滅危惧種を育てる時は、生息地にいつでも戻せるようにすることが大切。それぞれの生物が持つ自然の性質を、失わせることがないようにすることが絶対です。

さらに計画的に増やしていくことがとても重要。増殖を見てみると、生物により簡単なものから、技術開発が必要な困難なものまでさまざまです。特に、鳥類哺乳類などでは雄雌間の相性など、難しいペアリングのものも多く、色々な方法がとられています。








自然の性質を保持しながら、絶滅危惧種の生物を育て続けるには、広々としたスペースで充分な個体数を維持することが必要。狭い施設のなかで動物を飼育すると、運動不足により弱い個体ばかりになりがちです。

さらに、飼育したり栽培している生物の数が少なすぎると、近親交配によって死亡率が上昇したり奇形が増えるなどは周知の事実

このため、充分な数を収容できる広々としたスペースを持つ、飼育や栽培施設が必要。また多くの技術者も同様です。

絶滅危惧種を育てている方々には、頑張ってほしいものですね。








絶滅危惧種の美しいユキヒョウは、中央アジアに数千頭が残るのみ

  絶滅危惧種 の中にはとても 美しい 生き物もいます。ここでは人間にとって、身近な種であるネコ科の話を紹介します。現在も ペット としてお馴染みなのはイエネコ。約1万年前から飼われ始めたとされています。 このネコ科の種は 捕食動物 なので、狩りに適応した身体的特徴があります。と...